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薬剤師の年収を徹底調査!初回転職までに知っておきたい情報を一挙公開!

ぺんぎん薬剤師のキャリア相談室
2023.02.10

みなさんが転職を考える理由はなんでしょうか?
様々な理由があるとは思いますが、よく挙げられるものをまとめてみます。

  • スキルアップ
  • 人間関係
  • 勤務時間や残業時間
  • 通勤時間
  • 仕事のやりがい
  • 将来への不安
  • 仕事内容
  • 給与 など

もちろん、全てを満たしてくれる会社があればそれが一番いいと思うのですが、なかなかそうはいかないのが現実です。
自分にとって何が一番大事か?
妥協できる部分は何か?
そのことををしっかり整理して転職活動を行う必要があります。

今回は多くの方が気になっていると思う「薬剤師の年収」についてお話ししたいと思います。
薬剤師になる前に把握できることはもちろん、初回転職の前までに押さえておくことで、実際の現場を知った上での経験と合わせて、職場を選ぶ際の大きな武器になるはずです。

薬剤師の平均年収データを一挙公開!

厚生労働省が実施した「令和3年賃金構造基本統計調査」によると薬剤師の平均年収は「580.5万円(平均年齢:41.1歳)」となります。日本全体の平均年収は489万円なので、薬剤師の年収は平均よりも高いことがわかります。

※平均年収=「きまって支給する現金給与額」×12カ月+「年間賞与その他特別給与額」(賃金構造基本統計調査)で計算

他の医療職と比較するとどうか?

薬剤師の平均年収は日本全体の平均よりも90万円も高くなっています。
ですが、薬剤師の年収は高くないという意見があるのも確かです。
それでは他の医療職種と比べるとどうなんでしょうか?

  • 医師:1,378.3万円
  • 歯科医師:787.2万円
  • 獣医師:592.1万円
  • 放射線技師:546.7万円
  • 看護師:498.6万円
  • 臨床検査技師:496.万円
  • 作業療法士・理学療法士・言語聴覚士・視能訓練士:426.5万円

薬剤師は医師・歯科医師・獣医師に次ぐ年収で決して低くはありません。

職場(業種)による年収の差は?

同じ薬剤師でも、働く職場(業種)によって年収に差があります。

業種平均年収
病院薬剤師434.6万円
調剤薬局488.3万円
ドラッグストア512.5万円
製薬企業543.2万円
業種別の平均年収

出典:マイナビ薬剤師 薬剤師の転職Q&A転職準備

病院薬剤師が一番低く、製薬企業が一番高くなっていますが、あくまでも平均年収なので、必ずしもこの通りの差が出るわけではありません。
このような傾向にあるということを知っておいてください。

年齢別とともに年収は上がっていく?

次は年齢別の平均年収を見てみます。

年齢層平均年収
20~24歳378.4万円
25~29歳473.3万円
30~34歳547.0万円
35~39歳613.6万円
40~44歳640.7万円
45~49歳635.4万円
50~54歳683.2万円
55~59歳642.2万円
60~64歳601.7万円
65~69歳577.6万円
70歳~524.5万円
年齢別薬剤師の平均年収(令和3年賃金構造基本統計調査)

50代前半がピークとなっており、それまでは年齢とともに順調に昇給していくことがわかります。

一見するとそこまで悪くはないように見えるのですが、大手企業に比べて中小企業では退職金が少なくなる傾向があるため、退職後の貯蓄の必要性までを含めて考える必要があります。

平均年収は上昇している?

過去10年間の平均年収の推移をまとめてみます。

年度平均年収
2013年532.6万円
2014年531.2万円
2015年533.5万円
2016年492.8万円
2017年514.9万円
2018年543.8万円
2019年543.6万円
2020年561.6万円
2021年565.1万円
2022年580.5万円
薬剤師の平均年収の推移(賃金構造基本統計調査)

薬剤師全体で見た場合の平均年収も少しずつ増加していますね。
さらに年齢別に分けて集計してみます。

年度20〜24歳25~29歳30~34歳35~39歳40~44歳45~49歳50~54歳55~59歳60~64歳65~69歳70歳~
2013年317.7万円445.6万円500.0万円568.4万円604.5万円641.6万円608.2万円627.0万円512.8万円574.6万円334.3万円
2014年316.2万円439.6万円517.5万円577.9万円607.4万円635.2万円642.6万円600.5万円598.4万円490.9万円487.9万円
2015年316.5万円437.4万円528.3万円587.1万円603.3万円630.5万円616.9万円591.5万円647.1万円464.6万円474.5万円
2016年379.3万円452.3万円501.4万円511.1万円547.5万円535.1万円571.9万円525.7万円608.9万円453.2万円896.9万円
2017年332.9万円439.4万円512.6万円556.5万円599.6万円630.8万円604.6万円624.7万円573.3万円479.6万円413.0万円
2018年355.9万円472.4万円524.8万円585.6万円615.6万円627.0万円613.0万円609.5万円605.1万円506.5万円529.5万円
2019年354.2万円465.3万円542.5万円601.9万円614.1万円621.0万円604.5万円610.6万円557.6万円490.0万円583.4万円
2020年376.0万円476.3万円539.5万円595.6万円604.3万円647.1万円683.8万円656.4万円565.8万円577.9万円503.5万円
2021年352.7万円456.7万円526.2万円588.5万円609.5万円657.8万円656.1万円640.8万円581.8万円696.1万円469.2万円
2022年378.4万円473.3万円547.0万円613.6万円640.7万円635.4万円683.2万円642.2万円601.7万円577.6万円524.5万円
年齢別薬剤師の平均年収の推移(賃金構造基本統計調査)

少し見にくい表になってしまいましたが、年収が最も高くなっているところにマークをつけてみました。
ただし、60歳以上のデータについては統計の対象となる人数が少なくなっており、平均値の数値に偏りが出やすくなるため参考値と考えました。そのため、60歳以上で最高年収を超しているものについては下線をつけています。
この結果を見るとわかるように、薬剤師は40代後半〜50代前半に年収のピークを迎えることがわかります。

年齢層ごとに分けて見た場合も概ね上昇傾向にあることがわかります。

地域による差は?

薬剤師の年収は地域によって差があります。
基本的には都市部よりも地方のほうが年収が高い傾向にあります。
全都道府県をのせると長くなってしまうので、上位5県と下位5県のみを掲載します。

上位都道府県平均年収
1位山口県780万円
2位福島県737.4万円
3位宮城県678万円
4位長野県676.9万円
5位青森県661.6万円
薬剤師平均年収上位5県(令和3年賃金構造基本統計調査)

全体の平均年収が580.5万円であることを考えると山口県と福島県の700万円越えはすごいですね!


下位都道府県平均年収
47位沖縄県461.5万円
46位大分県479.1万円
45位岡山県505.5万円
44位東京都508.1万円
43位鹿児島県519.5万円
薬剤師平均年収下位5県(令和3年賃金構造基本統計調査)

逆に沖縄県と大分県は500万円を切ってしまっています。

1位の山口県と最下位の沖縄県の平均年収の差はなんと318.5万円!!
もう少しで初任給に届きそうな金額です。
薬剤師として働く際に、年収を気にするのであれば「どこで働くか」が大切だということがわかりますね。

薬剤師の年収をどう評価する?

さて、ここまでに薬剤師の年収に関するデータを見てどう感じましたか?

意外と悪くない?いざとなったら年収の多い県に行けばいい?

薬剤師の平均年収は世の中の平均年収より高く、就職に関してもしやすい環境にあります。
そういう意味では薬剤師という職業は恵まれていると思いますし、世間からもそう言われています。

ですが、本当にそうでしょうか?
薬剤師国家試験を受けるためには少なくとも6年間大学に通わなければいけません。
大学が国公立であれば6年間の学費は約350万円ですが、私立大学の場合、6年間の学費は約1,200万円です!
自宅から離れた大学に進学した場合は、これに生活費が加わるわけですから薬学部に通い、薬剤師免許を取得するためには場合2000万円近いお金がかかる場合もあるということになります。
そのため、奨学金を借りている学生も多くなっており、奨学金については就職後に返済していかなければなりません。
実際に、奨キャリを利用している薬剤師・薬学生のうち67%の方が奨学金を利用しており、薬学生に限定すると81%の方が奨学金を利用しています。

奨学金の借入額と返済額

では奨学金を利用している方はどの程度の金額を借り入れているのでしょうか?
奨キャリ薬剤師に登録している方の情報をまとめてみます。

奨キャリ登録者の奨学金借入金額

このように1000万円以上の奨学金を借りている人は3割、600万円を超している方が半数以上(65%)を占めていることがわかります。

では、次に月々の返済(予定)額についてまとめてみます。

奨キャリ登録者の月々の奨学金返済額

実に13%以上の方が毎月5万円以上の返済を行わなければならず、毎月3万円以上の返済を行う方は49%で約半数となります。

給料の手取り金額

もう一つ気になるのは給料の手取り金額です。

年齢層平均年収手取り金額
20~24歳378.4万円264.9万〜302.7万円
25~29歳473.3万円331.31万〜378.64万円
30~34歳547.0万円382.9万〜437.6万円
平均年収と実際の手取り金額

ここから生活費を払いつつ奨学金を返していくことを考えると、新卒者にとってはかなりの負担になることがわかると思います。奨学金を返済しつつ、将来に備えての貯金をしていこうとすると、少しでも多い給与をもらえるよう努力する必要があります。
あわせて奨学金返済支援制度を利用することもお勧めします。

記事中で紹介している奨学金返済制度を利用することで税金の軽減を行うことができ、結果として単純に給与を上げた場合よりも手取り金額を多くすることができます。
制度を利用して増えた分を貯蓄や投資に回すことで、将来設計に幅を持たせることが可能となります。

奨キャリ薬剤師(株式会社Crono)は「奨学金返済制度」の利用推進を得意としているエージェントになります。また、奨学金を扱うゆえに「初回転職」にも強くなっていますので、奨学金のことで悩んでいる方は↑上記リンクから是非相談してみてください!

年収を上げるために何を考える?

皆さんは年収を上げるために何が必要だと考えますか?

  • 専門薬剤師を取得すること?
  • 自己研鑽に励み知識を身につけること?

どちらも当たっているかもしれませんが、少し違います。

年収を上げるために必要なことは、経営者(雇用者)にとって必要な薬剤師となることです。
それでは、会社から評価され、必要とされる薬剤師とはどんな存在でしょうか?

長くなってしまったので、詳しい話は次回以降の連載の中で解説したいと思います。

年収を上げるために会社のエース薬剤師を目指す!

奨キャリ薬剤師(株式会社Crono)では、この秘訣をを探るためのオンラインセミナーを開催しています。
会社から信頼される薬剤師=エース薬剤師として活躍するお二人を招いて、「成長する薬剤師」の仕事と年収を大解剖しました!

今後もエース薬剤師の仕事と年収を赤裸々に語るイベントを提供していきます!

今回の記事はここまでです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。